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土地のみ購入する際に住宅ローンは使える?使える融資と注意点を解説〜その1

気に入った土地を見つけたら、後から家を建てるために購入しておきたいと考える人はいるでしょう。購入には多くの資金が必要なため、住宅ローンを利用できるかどうか気になるのではないでしょうか。結論から言えば、残念ながら土地の購入に住宅ローンは利用できません。融資が受けられるのは、自分が住むための家の購入や建築、増改築などの時に限られます。

そこでこの記事では、土地だけを購入する際にどんなローンが利用できるのか、購入の流れとともに注意点を解説します。

土地のみの購入に住宅ローンは使えない

将来的に家を建てる目的でも、土地のみの購入に住宅ローンを利用することはできません。住宅ローンは、自分が住むための住宅の購入や建築を目的としたローンなので、土地のみの購入では融資要件を満たしていないのです。

後から家を建てるなら、土地と建物を一本化することで住宅ローンを組むことは可能ですが、住宅ローンの融資が行われるのは建物が完成した後。しかも土地を購入してから住宅を建てるまでの間には、工事の着工金や上棟持に支払う中間金など、何度か代金の支払いが発生します。

自己資金を用意できない場合でも、一定の要件を満たせば「土地先行融資」や「つなぎ融資」を利用して、土地を購入することが可能です。しかし前述のように、住宅を建てる段階に入ると、住宅ローン融資が実行されるまでの間にもまとまった費用が発生します。

土地購入用のローンを利用するにあたっては、こうした費用をどうやって用意すれば良いかも重要な課題になります。

土地のみを購入する時の支払いの流れ

まずは、土地購入から家が完成するまでに発生する支払いの流れを押さえておきましょう。

〈例〉1,500万円の土地を購入し、2,000万円の家を建てる場合の代金の支払いの流れ

  1. 土地の売買契約……手付金支払い(150万円)
  2. 土地の引渡し……残金支払い(1,350万円)
  3. 建築工事請負契約……着工金支払い(600万円)
  4. 棟上げ工事完了……中間金支払い(600万円)
  5. 建物完成……建物残金支払い(800万円)←住宅ローンの融資実行

一般的に、土地の購入時に契約手付金として5%~10%を支払い、引渡しの段階で残金を支払います。家の建築請負に対する支払いは施工会社により異なりますが、一般的に着工前30%、中間時30%、完成時40%の配分にしているところが多いです。

住宅ローンの融資が実行されるのは、建物の完成時です。完成前に住宅にかかる費用の支払いは、このケースでは1,200万円。土地代と合わせて4,200万円を、自己資金など住宅ローン以外の方法で用意しなければなりません。

土地のみの購入で受けられる融資とは

土地のみを購入する場合に利用できる融資には、「土地先行融資」「つなぎ融資」があります。それぞれどのようなローンなのか簡単に説明しましょう。

【土地先行融資】

一定期間内に購入した土地に住宅を建てる条件で、土地代金の融資を先行して受けることができるローンです。

土地のみを対象とした融資ではありますが、基本的には住宅ローンとセットになっています。土地の融資は受けることができても、住宅ローン審査に通らない可能性もあるため、土地と建物の資料を同時に提出して審査されるのが一般的です。

審査が通れば、土地代金の決済時に土地代が融資され、住宅完成時に住宅ローンの融資が受けられます。土地を買う段階で、住宅ローンの融資が確約されているのは非常に心強いですよね。土地は購入できても、住宅ローンの審査が通らなかったら…という心配をせずに済みます。

注意したいのは、土地と住宅のローンがセットになっているとはいっても、金利も返済額も異なるまったく別の融資だという点です。土地のローンは家が完成する前から返済が始まり、住宅の建築にかかる費用が得られるわけではありません。返済と建築工事の費用を同時に払うことができるかどうか、試算する必要があります。

【つなぎ融資】

つなぎ融資とは、その名前の通り、住宅ローンの融資が始まるまでの「つなぎ」として利用できるローンです。土地代だけでなく、着工金や中間金といった、住宅が完成する前に必要な資金の融資も受けることができます。

つなぎ融資で借り入れたお金は、住宅ローンを使って清算する仕組みです。そのため、融資してくれるのは住宅ローンの融資を受ける金融機関。つなぎ融資を受けられるということは、住宅ローンの審査を通過していることを意味しています。

つなぎ融資は、貸付け限度額や融資のタイミングが決められています。先に土地だけを購入する場合は、一般的に①土地の購入時、②建物着工前、③建物中間時の3回に分けて融資されます。土地の購入時点では月々利息分だけを支払い、建物が完成して住宅ローンが実行される際に、融資分を全額返済する流れになります。

まとめ

住宅ローンの融資が実行されるのは、建物の完成時です。

土地のみを購入する場合に利用できる融資には、「土地先行融資」「つなぎ融資」があります。土地だけの購入に住宅ローンは使えませんが、後から家を建てる前提で、「土地先行融資」や「つなぎ融資」が利用できることを解説してきました。

営業担当:井本 衣代
エステートセンター本店不動産売買部門

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